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一首を切り裂く(088:編)

(ゆき)
    今朝がたの雨の雫を編みこみて銀に光れりささがにの巣は

 「ささがに」とは<蜘蛛>のこと。
 「折からの陽に当たって、今朝方まで降っていた雨の雫が蜘蛛の巣の網目の中で銀色に輝いている」と言うだけのことであるが、雨の雫が蜘蛛の巣の中に止まっている状態を、「雨の雫を編みこみて」としたところが、この一首の手柄であろうか?
     〔答〕 蜘蛛の巣の一つ一つの網の目の中に光れる今朝の白露  鳥羽省三


(五十嵐きよみ)
    父親のゴルフ雑誌のそこだけは楽しみに読む編集後記

 「編集後記」が面白いのは、「ゴルフ雑誌」に限ったことではありません。
 経済誌にしろ、医学誌にしろ、短歌誌にしろ、「編集後記」は興味深い。
 そこには、生身の人間が生息し、その息遣いが聞こえて来るからです。
     〔答〕 姉の買う婦人倶楽部の桃色の綴じ込み記事の興味深さよ  鳥羽省三


(今泉洋子)
    遺歌集を編む木染月(こそめづき)列島にからくれなゐの秋くだりゆく

 「北上する」のは春のサクラ前線で、「南下する」のは秋の紅葉前線である。
 北の北海道から南の九州へと、山々の木々が次第次第に「からくれなゐ」に紅葉して行く「木染月」に、本作の作者は、何方かの「遺歌集」を「編む」のである。
 紅葉前線の進行の仕方は、線的な進行ではなく面的な進行であるから、「編む木染月」という表現が生きて来る。
 山々の木々が「からくれなゐ」の錦を編む「木染月」に、今泉洋子氏は「遺歌集」を編むのである。
 「紅葉(もみぢ)す」とは、<木々の葉っぱが赤や黄色に色づいて行く>様を表わす道詞である、と同時に、<人間が老いて死んで行く>ことを表わす動詞でもある。
     〔答〕 紅葉してからくれなゐに染まるとき山の木の葉は息つめてゐる  鳥羽省三 
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ありがとうございます

  鳥羽省三さま

 採りあげていただき、的確な評をありがとうございます。
知人の歌をパソコンに300首位入力して、それを友人に編集してもらい、明朝体で和紙の和綴じを10部作りました。夏の終わりからはじめて紅葉の頃までかかりました。大変な作業でしたが、ご家族の方に家宝にすると喜ばれたのでよかったです。去年「水葬物語」の複刻版がでましたが、作り方が和綴じだったので気にいり購入しました。4千円でしたが、手間を考えると安いと思います。好みの問題もありますが、和綴じのてづくりの歌集を自分で数冊だけ作りたいと思いました。もっと精進していい歌を作れるようになりたいです。

☆たましひの奥へ孤独をねじこみぬ猿丸大夫になれさうな秋
 
あと12題でゴールですね。ラストスパート頑張ってください。
でも寂しくなりますね。
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Author:鳥羽省三
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