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今週の朝日歌壇から

 今週もまた、公田氏及び郷氏へのオマージュ作品、都合三首あり。
 四十首中の三首は多いか少ないか?

○  三万の兵を増やして六千を棺とともに帰す国なり        (アメリカ) 西岡徳江

 オバマ大統領としては苦渋選択であろうが、しかし。
 選者・永田和宏氏の評言、「結句、『国なり』に単なる批判だけではない強い思いがこもる」に同感。
     〔答〕 大戦の幕を引かむと原爆を二発落とせし国ぞアメリカ  鳥羽省三


○  葦の間に鳩笛を吹くひとありて風にテグスのきらめく夕べ    (東京都) 倉地克次

 「風」の働きに注目しなければならない。
 「テグス」をきらめかせるのも「風」であるが、その背景となっている「葦の間に」吹く「鳩笛」を流し、響き渡らせるのも、その同じ「風」なのである。
     〔答〕 川の面にテグスきらめくこの夕べ葦の葉越しに鳩笛聞こゆ  鳥羽省三

 
○  君の呉れしライターにまだ火の鳥を一羽飼ひをり西日に点す   (東京都) 保坂 満

 「西日に点す」と「火の鳥」との関わりに注目。
 折からの「西日」の中に燃えるライターの火の赤さと輝きとが、「君の呉れしライターにまだ火の鳥を一羽飼ひをり」という、斬新なイメージを導き出したのである。
     〔答〕 ポケットに未だ籠もれる火の鳥の折に羽ばたく西日に向かひ  鳥羽省三


○  相続の話ながなが聞きながら鍋の大根時どきいじる       (瀬戸内市) 児山たつ子

 囲炉裏端で交わされる財産相続を巡っての長話に呼応するが如く、ブリ大根はぐつぐつぐつと音を立てて煮えている。
     〔答〕 相続の話ながなが続く時ブリ大根は煮崩れて行く  鳥羽省三


○  仙覚の万葉注釋畢へし跡テニスコートとなりて久しき      (埼玉県) 澤野朋吉

 選者・佐佐木幸綱氏の評言をそのまま写す。
 「埼玉県小川町の中城址と呼ばれる城跡に、仙覚律師の記念碑と律師堂がありテニスコートがある。仙覚は鎌倉時代の天台宗の僧で、万葉集研究に大きな業績を残した人物。一首、ゆったり無常感をうたって心に残る。」
 補足すべき事項無し。
     〔答〕 仙覚の名を知りにしは二十歳過ぎ小林教授の国語学特講  鳥羽省三


○  ときながく光あつめし黄葉の地におちてなほひかりをたもつ   (ひたちなか市) 篠原克彦

 作者・篠原克彦氏は、冬樹、新緑、緑陰、黄葉、落葉と、一日に幾度と無く、この樹下に佇み、過ぎり、この樹の巡りの景色の変遷と、その葉を揺るがす光陰とを見つめ続けて来たのである。
     〔答〕 地に落ちて光失せにし公孫樹葉の一つ一つに置ける朝露  鳥羽省三   
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