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一首を切り裂く(067:フルート)

 大変申し訳ありませんが、本<お題>に寄せられた百九十余首の作品の中には、残念ながら、私がぜひ観賞したいと思うような作品はありませんでした。
 因みに、本<お題>に寄せた私の作品は、「ブルートがフルート吹けるブルーな日オリーブ嬢はお尻プリプリ」であった。
 しかし、これは、フルートという<お題>の始末にさんざん悩まされた挙句の苦肉の策ならぬ作でしかなく、意味も内容もない、ほとんど言葉遊びだけの代物であり、到底、人前に曝せるような作品ではありません。
 でも、せっかくの執筆スペースをこのまま捨ててしまうのも勿体無い話ではあります。
 そこで今回は、お題「フルート」やそれに関連する事柄にこと寄せて、しばらく遊んでみたいと思います。
 最初の遊び相手は、我が国の女性フルート奏者として人気随一の、あの山形由美さん。
     
       ドップラーの幻想曲を吹く時の山形由美の紅きくちびる  鳥羽省三
 
 私は、山形由美さんのリサイタルにたった一回しか行ったことがない。
 でも、彼女のアルバムを数枚持っているし、彼女がテレビ出演する時には、可能な限り見るようにしているから、彼女の奏でるフルートの音色はいつも私の脳裡に強烈に焼きついている。
 そんな私に言わせれば、彼女の人気の秘密は持ち前の美貌や温和な性格や幅広い教養などもさることながら、フルートを吹く時の、あの真っ赤な唇と、そして、女性としては必ずしも細いとは言えない、十本の指の悩ましげな動きなのである。
 上掲の作品の中の「幻想曲」とは、言うまでも無く、自分自身も傑出したフルート奏者であり、ウィーン宮廷歌劇場の首席指揮者でもあった、フランツ・ドップラー(1821~1883)作曲の『ハンガリー田園幻想曲・作品26』である。
 この作品は、数多いフルートの独奏曲の中でも、特に演奏が難しく、その魅力を余すことなく発揮する名曲として知られているので、山形由美さんのみならず、内外のフルート演奏家のリサイタルに於いては、ほぼ例外なく演奏されるが、私が訪れた只一回のリサイタルに於いても、山形由美さんはこの名曲を演奏し、聴衆から万雷の拍手を浴びたのであった。
 山形由美さんの、少しむくれ気味の唇はあくまでも赤く、そして怪しい。
 いや、その唇からは、何か邪悪な企みさえ感じられる。
 したがって、上掲の一首は、次のように改作しても宜しい。

       ドップラーの幻想曲を吹く時の山形由美の邪きくちびる   鳥羽省三
 また、
       ドップラーの幻想曲の譜を追ってあまりに速き山形の指
 また、
       ドツプラーの幻想曲を吹く由美の黒髪ゆるる午後八時半
 また、
       黄金の魔笛うち振り男(をのこ)らを罵る時もあるか由美さん
 また、
       「亜麻色の髪の乙女」を吹く時の山形由美の髪のウエイブ
 また、
       「亜麻色の髪の乙女」を吹く由美の老いての後の灰色の髪
 
 かくして、フルート奏者・山形由美への賛辞は果てし無く続くのであるが、あまり続けるとストーカーなる、昨今話題の輩に間違われるから止めよう。

       ランパルも山形由美も聴き飽きたパンは居ないかパン連れて来い  鳥羽省三
また、
       アポロンの竪琴パンのフルートと風に流れてニンフ目覚むる
また、
       ・パンは蛇使い女に化身してアンリ・ルソーの夢に現はる 
また、
       童画めくアンリ・ルソーの「蛇使い女」の吹ける黒きフルート

 フルートを吹いているというだけの理由で、長い間わたしは、あのアンリ・ルソーの名画「蛇使いの女」を、牧羊神パンを描いた作品だとばかり思っておりました。
 かほど然様に、私の頭の中では、パンとフルートが直結しているのです。

       「フルートとハープのための協奏曲・ハ長調・Kv.299」  鳥羽省三

 直ぐ上の括弧付きの奇妙な語群は、彼のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトがギーヌ公の依嘱に応じて1778年4月から5月までパリで作曲した協奏曲の名称をそのまま記したものではあるが、私としては、お題「フルート」に寄せ、多分にサプライズ的気分を込めて創作した、短歌作品なのである。
 因みに、そのヨミをひらがなで記してみると、「ふるーととはーぷのためのきょうそうきょく・はちょうちょう・けっへるにひゃくきゅーじゅうきゅー」となる。
 下の句の字余りが気にならないでもないが、そこは内在律でカバーして、一首の短歌作品として認めてもらいたい。
 この一首と、上記「アポロンの竪琴パンのフルートと風に流れてニンフ目覚むる」とを関連付けて読めば、その上の一首で、「ランパルも山形由美も聴き飽きたパンは居ないかパン連れて来い」と、身勝手な鳥羽省三に怒鳴られた何方かが、「触らぬ鳥羽に祟り無し」と思って、早速、牧羊神<パン>を呼んだところ、パンは楽友のアポロンを伴ってやって来て、モーツァルト作曲、「フルートとハープのための協奏曲・ハ長調・Kv.299」一曲の協奏に及んだ、というわけなのである。
 いかがでしょうか?

     〔答〕 フルートの<お題>の歌を選ぶ宵 身にしむ歌の一首だに無し  鳥羽省三 
         フルートとふ語を折り込みて歌詠むはあまりに難くみな匙を投ぐ  同 
                 
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