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一首を切り裂く(040:すみれ)

(月下燕)
    目をおおいたくなるほどの空虚にはかつてすみれが咲いてたという

 一見ミスマッチとも思わせながら、「空虚」と「すみれ」とは、斬新かつ絶妙な取り合わせです。「へたうま」とでも言うべきこの作品を読みながら、私は、西脇順三郎氏のあの著名な詩の世界を思い出していました。

 黄色い菫が咲く頃の昔
 海豚は天にも海にも頭をもたげ
 尖った船に花が飾られ
 ディオニソスは夢みつつ航海する
 模様のある皿の中で顔を洗って
 宝石商人と一緒に地中海を渡った
 その少年の名は忘れられた
 麗(うららか)な忘却の朝
                         西脇順三郎『皿』
 
 私は、この詩から、爽やかで健やかな美しさを感じると共に、果てし無い空虚と倦怠をも感じます。本作の作者の月下燕さんもまた私同様に、西脇順三郎氏の詩の愛読者であった過去を持っておられるのでしょうか。
     〔答〕 すみれ咲く多摩川土手を過ぎしより果てなく続く我の空洞   鳥羽省三


(月原真幸)
    かいだんのおどりばのすみれんあいのただしいかたちなんてしらない

 鹿鳴館の階段の踊り場の隅に彼女の華奢な体を押し付けて、無理矢理、唇を奪った日から一年過ぎた。あの日、燃え滾る彼女の体から私のハートに乗り移ったほてりは、未だ醒めようにもない。恋愛の正しい形式などというものは在るのだろうか。仮に、そのようなものが在るのだとしても、今の私には全く関わりのないこと。
     〔答〕 月原の果て無き光(かげ)に消えし女(ひと) 真幸(まさき)くあらば雁に告げ越せ  鳥羽省三


(斉藤そよ)
    空ばかりみてるね九月 四月にはすみればかりを見ていた野原

 四月 
 すみれ咲いてた野原
 五月 
 赤く色づいたスカンポの穂を撫でて吹き過ぎる風が涼しかった
 六月 
 幾日も幾日も続く雨 鬱陶しい雨      
 七月・八月 
 蝉時雨かまびすし
 そして九月 
 私は、台風一過の抜けるような青空ばかりにみとれてた
     〔答〕 チョコばかり食べてる9月 4月にはジャムパンばかり食べてたベランダ  鳥羽省三
 
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