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一首を切り裂く(序・001:笑)

                   「一首を切り裂く」序 
 のっけから『一首を切り裂く』などという、極めて不穏当なタイトルを突きつけられて戸惑う方がいらっしゃるかも知れない。インターネットというこの無限の空間に、突如あの切り裂きジャックが現れたかと思われて恐怖に慄く方もいらっしゃるかも知れない。
 だが、「一首」の「首」は人間の首ではなくて、短歌を一首、二首、三首と数える時の助数詞であるから、ご安心いただきたい。
 つまりは、この空間、即ち『一首を切り裂く』というコーナーで私が行おうとしていることは、「題詠2009」に投稿された短歌の中から、私が任意に選定した作品を俎上に載せて、徹底的に分析し、論評し、併せて鑑賞しようとする試みなのである。もっと端的に言うならば、選定した作品を徹底的に切り刻み裂き、褒めるべきところは褒め、貶すべきところは貶し、時にはバーチャルな表彰式を催して楽しみ、時には推敲を試みたりもするのである。
 しからば、私が、どのような基準で以って作品を選定し、どのような方法で以って作品を切り裂くかと言うと、切り裂きの方法はともかく、作品選定の基準は次の通りである。
 ① 私は私自身の勉強のために、「題詠2009」の投稿歌の中から「一首を切り裂く」の俎上に載せる作品を選定する。
 ② 私が選定してこの「一首を切り裂く」の俎上に載せた作品は全て、今後の私の創作活動になんらかの示唆を与え、ともすれば日々衰え行く、私の脳機能及び身体機能の活性化に貢献すると思われる作品である。
 ③ 私はどちらかと言うと、優れた短歌に興味を感じ、優れていない短歌には興味を感じない種類の人間であるから、私が選定する作品は、私自身が何らかの理由で、「この短歌は優れている」と判断し、「この作品について考察するために、残り少ない私の生存時間の一部を使っても構わない」と判断した作品である。
 ④ 私は、私の定めた上記「①②③」の基準で以って、「題詠2009」の投稿歌の中から、この「一首を切り裂く」の俎上に載せるべき短歌を選定し、徹底的に切り刻み、時には、その改作案を提示することもあるが、それはあくまでも私自身の学習のために行うのであって、その受け入れを作者に強要するものではない。
     
 以上の通りであるので、宜しくご寛容のほどを。
                            平成二十一年二月二十六日        鳥羽省三         


             一首を切り裂く(その1:笑<A>)

(月下燕)
 メールから(笑)をぬいてみてきみの笑顔の意味がわかった                                                                 (笑)・・・かっこわらい

 このコーナーを開設するに当たって、私は、その最初の犠牲者と言うか、私が選定し、私が切り刻むべき対象作品の第一号は、それに相応しい鑑賞しごたえのある作品で無ければならないと思っているが、それと同時に、出来得るならば、その作品は、この「題詠2009」の企画にいち早く参加され、いち早く投稿された方の作品にしたいものだと願っている。
 こうした私の願いは、必ずしも叶えられるとは限らない。何故なら、投稿第一号の作品は、この企画が投稿開始以前に破綻しない限り存在するが、それが必ずしも「鑑賞しごたえのある作品」とは限らないからである。
 しかし、私の心配は杞憂に帰し、私の切なる願いは叶えられた。
 ありがとうございます、月下燕さん。そして、おめでとうございます。そしてそして、お気の毒様です。拠って、ここに表彰状を呈上する。(なんちゃって)。

 それならば早速本題に入るが、先ず、この作品の作者の月下燕さんは、ご自身の作品が、記念すべき投稿第一号になることを充分に自覚され、更には、インターネット上で行われる歌会の最初の投稿作品は、どのようなものでなければならないか、ということをも強く自覚されていたものと思われる。
 即ち、作品中の上の句に、「メール」及び「(笑)」という、インターネット通信を象徴するような用語を用いているのである。しかも、この種の作品はややもすると推敲不足の字足らず短歌と看做されるに違いないことを危惧して、「(笑)・・・かっこわらい」という、鑑賞に利するための注記を付すなど、その配慮は万全に行き届いている。
 漢字とひらがなの按配もなかなかである。ライト・ヴァースと言うか、この種の短歌の創作に慣れない私なら、つい、うっかり「メールから(笑)を抜いてみて君の笑顔の意味が解った」などと、必要以上に漢字を多く使ってしまうに違いないが、それをそうしないで、「メールから(笑)をぬいてみてきみの笑顔の意味がわかった」としたのは、お題の「笑」及び、この作品の肝心要のカンカンお臍に相当する「(笑)」を目立たせ、あくまでも主役に押し上げようとするための配慮に違いない。
 私のような年配者なら、漢字を使えるのにひらがなを使っている作品に出会うと、つい、作者の国語力や常識を疑ってしまうことがあるが、この作品の作者・月下燕さんは、それを充分に承知されたうえで、敢えて、このような行き届いた配慮をなさったものと思われる。すばらしい。
 もう一点、この作品の優れた点を上げると、一首に、「メールから(笑)をぬいてみてきみの笑顔の意味がわかった」とありながら、私たち読者には、作品中の<わたし>が、「きみの笑顔の意味」を、どのように「わかった」のかがまるで分らない。そこが、この作品のもう一つの優れた点なのである。
 私は、私自身の依怙地な短歌観として、「短歌には一点、謎めいた箇所がなければならない。その謎めいた箇所の有無が、その短歌の鑑賞に読者を誘うか否かを決める鍵である」と思っている。
 作者と作品中の<わたし>は、「きみの笑顔の意味がわかった」と言ってはいるが、作者でも作品中の<わたし>でもない私たち読者には、その「意味」とやらがさっぱり解らない。そこで、「何か、その『意味』を理解する手だてはないかしら。上の句に『メールから(笑)をぬいてみて』とあるから、その「メール」とやらを見てみたいものだ、(笑)を抜いた形と抜かない形で」とまで思ってしまう。
 作者の策略にまんまと嵌まり、私たち読者は「月下燕」地獄に陥ってしまったのである。
 この作品の作者の<月下燕>氏とは、女性か?男性か?
 女性ならば彼女は魔女。男性ならば彼は間男、いや悪魔。

 今日はなんだか、やたらに褒めまくってしまったようだな。でも、お祭だから。  
 
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